フランスの現地シェフに食材をPR。翻訳を介し、自前で市場調査・商談・販路開拓

思いを語る

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わたくしは、CROSS FOODSの事業責任者、合同会社JEXPOの代表社員(CEO)、堺武志と申します。2016年現在50歳です。農学部出身です。

しかし正直に申しますと、つい最近まで、農業、食品、食事には、無頓着でした。グルメではまったくありません。
5年ほど前から、地元九州で農家さん、食品加工業者さん、支援団体さんなどと接する機会が増え、わたしと関わりの多い国、フランスと食でつなげられたらといいな、と思うようになりました。
今思えば、思いつきでした。

それから、当事者さんにヒアリングしたり、関心をもったことをネットで調べたり、嫁さんに味付けの仕方を聞いたりするようになりました。店先では、食材の裏ラベルをついつい眺めるようになりました。

そして、農業・食をとりまく日本の実状を遅まきながら少しずつ知るようになりました。農業人口の減少・高齢化・後継者不足。自給率の低下。零細で兼業、脆弱な経営基盤。農薬、肥料等に代表される食の安全。添加物や、そのラベル表示。農業に関わる流通・販売体制と既得権益、慣習、支援制度。食文化、ライフスタイルの変遷と、それに伴う日本固有の伝統製法、地域特有産品の衰退。狭い出口に激化する販促競争。

率直に申し上げると、危機的な状況はすでに通り越し、もはや絶望的に近いと思っています。

ではわたし自身、どのような形で関われば、この苦境を脱することに寄与できるのか、言い換えれば「海外販路開拓」つまり「売上アップ達成」を実現できる仕組みを考え抜き、試行錯誤を実践してきました。その結果、現地レストランと直接ひとつの売上実績を1軒つくり、それを数軒に増やし、そしてその実績をひっさげ、商社等への卸取引を目指すという段階を踏むことがベストであるという結論に至りました。2016年9月の正式発足以来、現地シェフからのサンプルリクエストは、すでにたくさん届くようになり、あとは、売上を達成する実績を作っていくのみ、というところに来ています。

じゃあ、その取組でもっとも大切なことは何でしょうか?日本の生産者さん、食品業者さん(サプライヤーさん)は、直接、海外の最終出口(小売、消費者、レストラン)と話した経験がほとんど、ありません。バイヤーさんは、「売り切る」という意味では、みなさまの感覚では出口ですが、最終出口ではありません。また、生産者さん、食品業者さんは、自社食材の優れた点や、こだわりなどを簡潔にわかりやすく説明することが不得手で、相手との商談、交渉が苦手です。そのレベルアップがもっとも大切です。

一方、国内では、各種支援団体によるサポートがなかなか充実しています。商談会を開催してくれたり、そこでバイヤーへの説明に使う資料の作成やトークなどのアドバイス・代行をしてくれたり、そもそも商品・生産物の企画から生産加工・販路の構築までを一貫して支援してくれたり、など。そういう背景があり、「出口は直接知らなくても、誰かが手伝ってくれる。なんなら完全おまかせておいて大丈夫」という風潮があると感じています。

で反対に、既存の支援団体等とは関わらず、自力で販路を見つけようとすると、今度は一転して販路開拓に大変な苦労を味わいます。

つまり、国内の生産者さん、食品業者さんは、国内においてさえ、最終出口と直接対面し、商談する、というご経験がほぼないわけです。
「わたしたちは作るまでが仕事」
「そこから先、売るのは別の人」
「誰が買っているかは知らない。あまり関心がない」
それでも、なんとかやっていけるという状況ですが、先行きはまちがいなく厳しいとお感じのはずです。日本国民みんなが同じ支援制度、枠組で取り組み、競争だけが激化しているのです、当たり前です。

一方、海外へ売ろうとなると、そこまで手厚い支援はありません。ですから、圧倒的大多数の方が、この段階で、海外進出をあっさりあきらめます。
ですが、この状況は言い換えれば、海外からは関心が高い(需要はある)のに、圧倒的大多数はチャレンジしていない(供給が足りない)、ということです。ひじょうに大きなビジネスチャンスがあるということです。

みなさまが、お忙しい、売るのは誰かにまかせたい、そういうお気持ちでいらっしゃるのは、じゅうじゅう承知しております。それを見越したうえで、みなさま自らが、直接、出口と向き合う取り組みをする、ということが、海外販路開拓を実現できる最良の手段だと、CROSS FOODSは考えております。

みなさまの食材の素晴らしさ、おいしさを、もっとも心を込めて説明できるのは、ご本人さまなのです。

さて、外国人さんは、一個人しての発言、家族の一員としての発言、会社や団体に所属する立場での発言が、すべて首尾一貫している、とわたし個人はよく感じます。つまり、本音と建前、裏と表がありません。どのような立場にあっても、根っこにある考え方が同じです。その主張が正しいかどうかは、この際、あまり重要ではありません。重要なのは、どの場面でも主張が首尾一貫しているか、ということです。

このことは、ビジネスをしようがしまいが、人間として当然備えておくべき素養、だとわたしは思っています。一方で日本語には、「ビジネスはビジネス」、「生きて行くためには仕方がない」、「ライスワークとワイフワークは別物」といった言葉があるように、ビジネスでの言動と、その人個人の信念・信条は、別に合致していなくてもかまわない、くらいの感覚が大にしてある、と感じています。

日本では、経済的な合理性追求のもと、この大切さを忘れてしまった方が、少なからずいらっしゃるのでは、と感じます。正直に申し上げれば、きわめて多いと思います。海外の展示会に出展等された方のなかには、商談に入るも何もなく、「何かに圧倒された」、「根本的に違うものを感じた」という方がいらっしゃるのでは、と思います。

日本での日常、さまざまな、しがらみ、おつきあい、いきさつのなかで、もともとはもっていた情熱や信念が少しずつカドがとれ、いつしか、「根っこ」を失っていることにここで気づいた、あるいは、気づかない方は、なにか大きなモヤモヤしたものが残った、そういった経験をおもちでは、と思います。

しかし、情熱や信念をもっていないのではなく、見失っているだけなのです。
外国人さんとのコンタクトは、このことを痛烈に思い出させてくれます。
原点に戻れます。

気丈に誇りをもちながらも、接する相手には敬意を示す、譲れない信念は主張する。商談には、そういった心持ちで臨むことが、実は、一番大切なことだろうと思います。明治時代、羽織袴姿で欧州に向かった使節団などは、きっとそんな感じではなかったろうか、と思ったりします。

こだわりや信念があり、その思いが食材に込められている食材は、フランス・ヨーロッパを含む諸外国で評価される可能性が高いと思います。今日までの日本で、歯をくいしばって信念を貫いてきた思いをまっすぐぶつけてみてください。忘れていた原点に戻り、情熱や信念をぶつけてみてください。新規就農の方や創業したばかりの方は、そのままの気持ちで、向かっていってください。

信念を貫くサプライヤーさんが売上実績をあげる、をきっかけに、ほかの国内サプライヤーさんが、だんたんと後を追うようになるといいなと思います。そして、日本の農・食品に関わる環境が首尾一貫する、という潮流ができたら、もっといいな、と。そしてサプライヤーさまとCROSS FOODSとがその先導役になれたら、このうえない喜びです。この取り組みこそが、今日の農・食に関する危機的な状況の打開策であると信じています。

現在の日本の農業・食に、なんらかの問題意識をもち、それについては、ゆるがぬ信念をもって取り組んでいるみなさまと、このCROSS FOODSでごいっしょさせていただけたら本望です。

それでは、引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。

堺武志
合同会社JEXPO 代表社員
CROSS FOODS 事業責任者

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